第30節を終了した段階で、プレミアシップから降格するのはウェストハム・ユナイテッド、チャールトン・アスレティック、ワトフォード、シェフィールド・ユナイテッドの4チームに絞られたと言っていいだろう。
今週中にもスチュアート・ピアース監督の解雇もありうるマンチェスター・シティ、シーズン前の補強で遅れをとったウィガン・アスレティックにも降格の危機は忍び寄っているが、ウェストハムを除く3チームにくらべると総合力で上回っている。残り試合数がひとケタになった現状から判断しても、マンチェスターCとウィガンの残留はほぼ確実だ。
さて、チャンピオンシップ(2部に相当)から昇格してきたワトフォード、シェフィールドの苦戦は誰もが予想していた。共に明確な戦術を持たず、勝ち点3を挙げた試合は選手個々の闘争心とコンディションが合致した時に限られる。プレミアシップで戦うレベルには達していなかった、ということだ。
また、チャールトンに関しては、昨シーズンでひとつのサイクルが終わっていた、と考えるべきだろう。20年以上にわたり、低予算と薄い選手層をやりくりしてきたアラン・カービッシュリー監督がチームを去った。後任はイアン・ダウイーである。気持ちで牽引するタイプの監督だ。理論派でならすカービッシュリーとの落差に選手はとまどい、シーズンの行方を占う序盤10試合で1勝2分7敗という散々の成績だった。ダウイー解任後、再建を託されたアラン・パーデューも、スタートダッシュの失敗に今も苦しんでいる。
ネガティブなニュースの連続、ウェストハム
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ピッチ外のトラブル、チーム内の不協和音など悪循環に陥ったウェストハム。選手たちは最後の意地を見せているが、遅きに失したか。
(C)Second Wind |
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ウェストハムの不振は予想外だった。買収問題、ハビエル・マスチェラーノ(のちにリバプールへ)とカルロス・テベスの不透明な移籍など、ピッチ外のトラブルがチームに与えた影響も少なくないが、得点源として期待されていたディーン・アシュトンの負傷欠場こそが大きな痛手だった。昨年8月、イングランド代表の合宿で足首を骨折。あれから8ヵ月、依然として復帰のめどは立っていない。
こうした状況に陥ると、チーム内の不協和音が外部に露出するものだ。昨年12月中旬から監督を務めているカービッシュリーと主力選手の不和、誰にも連絡せずアメリカ旅行に出かけたアントン・ファーディナンドの愚行など、連日のようにネガティブなニュースが報じられている。さらに、前述したマスチェラーノとテベスの移籍で不正が発覚し、勝ち点5のロスという厳罰を科せられる危険まで生じてきた。
サッカーに限らず、プロスポーツは何が起きるのかわからない。その、スリリングでドラマティックな部分に人々は感動し、涙を流す。ウェストハムが全勝し、マンチェスターCやウィガンに不測の事態が発生することもあるだろう。テベスの奮闘には胸を打たれるものがあり、本拠地アップトンパークのサポート体制もすばらしい。しかし、彼らに与えられた時間は少なく、チェルシー、マンチェスターUとの対戦も残されている。
「厳しい状況だってことは誰もが承知している。でも、残留の可能性がなくなったわけではない。オレたちは最後まであきらめないよ。熱くて、すてきなサポーターのためにもね」
テベスの言葉、信じたいのだが……。 |