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スキル・シマノ、ツール・ド・フランス出場決定

世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスに、「スキル・シマノ」の出場が決定…続きはこちら
コラム
[ 世界最高峰への挑戦 ] 【動画】ツール・ド・フランスへ――スキル・シマノが描く“夢”

[ 世界最高峰への挑戦 ]

【動画】ツール・ド・フランスへ――スキル・シマノが描く“夢”

文:新熊康助 写真:野口岳彦 Date:2008.12.25

 ツール・ド・フランス、それは世界に数ある自転車ロードレースの中の頂点に位置するレースである。1903年の第1回大会以来、今年までに実に95回もの長きに渡る歴史と伝統を持つこのレースは、毎年7月、初夏のフランスを舞台に、合計約3500kmのコースを3週間あまりにわたって熱い戦いが繰り広げられる。約1500万人が観戦に訪れる他、テレビを通じて世界で約25億人もの人々が視聴すると言われており、まさに世界最大級のスポーツイベントと言えるだろう。そのツール・ド・フランスに、2人の日本人を擁し来年の初出場を目指しているチームがある。それが「スキル・シマノ」である。

「1日でもいいから山岳賞のジャージを来たい」と語る土井雪広選手。(C)Takehiko Noguchi

ツール・ド・フランスへの道のり

 スキル・シマノは、自転車部品メーカーとして世界的なシェアを誇る株式会社シマノが母体となって1973年に発足、日本の自転車界をリードしてきた。2005年にオランダのプロチームと合併し、翌年には米国の電動工具メーカー「スキル」がスポンサーとなり、現在に至っている。オランダを拠点とし、カテゴリで上から2番目に属する「プロフェッショナルコンチネンタルチーム」として、ヨーロッパのレースに参戦している。

 設立から今年で4年目のシーズンを終えたスキル・シマノだが、その実力は主要な国際大会の常連と言っていい位までに上がってきている。一つの転機になったのが、今年3月にフランスで行われた「パリ・ニース」だった。春の主要レースの一つであるこの大会に初出場したスキル・シマノは、山岳賞を獲得するなど大健闘を見せ、現地で一時旋風を巻き起こした。それに対してレース主催者であるASO(=Amaury Sport Organisation、ツール・ド・フランスの主催者でもある)から、ツール・ド・フランスへの出場を示唆された。2008年の出場は残念ながら叶わなかったが、今まで雲の上の存在でしかなかった場所に、遂に手が届くところまでやって来た――スキル・シマノにとって、世界最高の舞台へ向けて期待が大きく膨らむシーズンであった。

別府史之選手はこれまでのレースの経験で手応えを感じていると語った。(C)Takehiko Noguchi
 そのスキル・シマノの中で、土井雪広、別府史之という2人の日本人選手が現在活躍している。土井選手は山登りが得意な「クライマー」タイプで、今年のドイツ・ツアーでチーム内最高位となる総合33位に入るなど、ヨーロッパでも十分に通用する実力の持ち主。一方の別府選手は平地・山道どちらもこなせる「オールラウンダー」タイプ。かつて世界トップレベルのチーム「ディスカバリー・チャンネル」に所属し、今年のアジア選手権で優勝、日本代表として北京五輪にも出場した。2人とも現在の日本の自転車ロードレース界の頂点にいる選手である。ちなみに過去ツール・ド・フランスに出場した日本人は、川室競(1926、1927)、今中大介(1996)の2人だけで、近代ルール以降に限れば今中大介ただ1人。もし2009年のレースに土井・別府両選手が出場すれば、日本人2人目と3人目が、実に13年ぶりに出場するという歴史的快挙を果たすことになる。

 12月13日にスキル・シマノが行った記者会見では、“Road to the Dream”というスローガンの下、レースへの参戦だけではなく、競技の普及や選手の育成など、日本における自転車競技そのものの拡大に力を入れる方針を明らかにした。最近の自転車ブームで市場は拡大しつつある一方で、自転車競技の方は日本ではまだまだ知名度が低いのが現状だ。しかし、土井・別府両選手のように世界のトップレベルで活躍する選手が現れれば、自ずと注目度は高まるだろう。今西尚志チームマネージャーは「(ツール・ド・フランスに)チームが招待されればいつでも行けるぞという準備段階」と、出場へ向けての強い意志を表明。同じく会見に出席した土井選手は「1日でもいいから山岳賞のジャージを着たい」、別府選手は「これまでの走りで手応えを感じている」と、こちらも来年に向けての意気込みを力強く語った。

 ツール・ド・フランス出場という“夢”、そして自転車競技の普及拡大というスキル・シマノの“夢”――それが現実となる日は、もう遠くない。





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