OCNスポーツ Esporte OCN SportsChannel Esporte [エスポルテ]
HomeスポーツNEWS野球NEWSサッカーモータースポーツデジタルコンテンツゴルフ
[MotoGP第5戦フランスGP]雨中の難戦、スズキ、7年ぶりの美酒
文:Second Wind 写真:Suzuki Date:2007.5.21
高速クラッシュを喫したニッキー・ヘイデンは幸い無事。実に7人のライダーがクラッシュする荒れた展開だった。
(C)Honda
 昨季のオーストラリアGP以来のウェットレースは転倒者続出の難しい一戦となったが、クリス・ヴァーミューレンがウェットコンディションでのライディングのうまさを発揮し初優勝。スズキに2000年もてぎ以来7年ぶりの勝利をもたらした。

 ヴァーミューレンは予選ではアタックラップでトラフィックにひっかかり12番手。さらにスタートで出遅れいったん15位まで後退したが、フラッグ・トゥ・フラッグ(ウェットレースでのバイク交換)ルールにうまく対応。スタート直後はコースは乾いていたが、雨が路面を濡らしはじめると、トップ集団より1周早い10周目にウェットセットのバイクに乗りかえギャップを詰めると、11周目に首位を奪取。以降、チェッカーフラッグまで巧みにGSV-Rを操り、その座を脅かされることはなかった。

「スタートからコンディションはスリッパリーで、どれぐらいプッシュしても大丈夫なのか、つかむのは難しかった。何人かに抜かれてしまったけど、あとでみんなクラッシュしていたね。バイクを交換したあとはできるだけ早くタイヤを温めようと努力したんだ。バイクは雨の中、とても調子がよかったけど、雨がひどくなるにつれストレートでもトップギアに入れるのは難しかった。雨の量が多すぎてリアはスピンしていたよ。トム・オケイン(クルーチーフ)をはじめとするクルーが本当にうまくウェットセットを仕上げてくれた。ほとんどウェットテストをしていなかったのにね。タイヤチョイスもばっちりで、これなら勝てるっていうバイクだったよ」

 ヴァーミューレンは初ポールのトルコ、初表彰台のオーストラリア(ともに2006年)、どちらもウェットコンディションだったが、初優勝を達成したのも雨中の一戦となった。チームマネジャーのポール・デニングは「クリスはバイクを完璧に操っていた。コントロールのうまさを再び見せてくれた」と、絶賛した。ジョン・ホプキンスは交換したバイクに問題があり7位だったが、スズキにとってこの日の勝利は2000年パシフィックGPのケニー・ロバーツJr.以来。7年ぶりに表彰台の頂点に返り咲いた。

 2位はマルコ・メランドリ。やはりフラッグ・トゥ・フラッグルールが適用された昨季のオーストラリアではヴァーミューレンを破って優勝している。今回はウェットでのうまさは見せつつもフィリップアイランドの再現はならなかったが、「無理しすぎて無用のリスクを負いたくなかった。去年はぼくが勝ち、今日はクリスの番だったってこと」と、結果には満足だと話した。

 3位はチャンピオンシップリーダーのケーシー・ストーナー。「リアのグリップに問題があった」とのことだが、戦況に応じたスマートな走りをした。交換したバイクのエンジンマッピングに問題があり8位だったロリス・カピロッシとは、またしても対照的な結果となった。

ロッシ、タイトル奪還にブリヂストンの壁
「ここでストーナーとの差を詰めたかった。この先はものすごくハードだ。彼の速さはストレートだけじゃない」。ロッシは苦闘を覚悟する。
(C)Yamaha
「ヤマハはいつもル・マンでいい成績をおさめているし、去年だってあの問題(残り8周でエンジントラブル)が起きるまでは飛ぶように速かったんだ。これからはいくつか好きなサーキットもあるしね」と、ヨーロッパラウンドのスタートに期待を寄せていたヴァレンティーノ・ロッシ。だが、プラクティスではセットアップが決まらず、予選も今季初めてフロントローを逃がした(4番手)。そして、決勝も長くつらいものだっただろう。

「ものすごくがっかりしている。スタート直後のドライコンディションではとてもいい感じだったんだ。バイクにちょっと手を加えたんだけど、それがうまくいったんだ。優勝をねらえると思っていたよ。でも、雨のおかげで台なしだ。ピットストップで乗りかえたバイクはハードコンパウンドのウェットタイヤだったんだ。雨は軽く降るだけと予想していたから。残念ながら雨はどんどんひどくなっていって、あのコンディションにはタイヤが硬すぎた。ぜんぜんプッシュできなかったよ。まったくペースが上がらないし、リアのグリップはほとんどなかった。最後の5周はただ走るだけでも危ないぐらいで、1周するごとに5、6秒は失ってしまった」

 次々にポジションを奪われたロッシは、アレックス・ホフマン(5位はベストリザルト)にも先行を許し6位に沈んだ。昨季の同時期も苦闘していたロッシだが、これまでのライバルは同じミシュランユーザーで対処のしようもあった。だが、パフォーマンスが飛躍したブリヂストンを相手にする今季は、もしかしたらより状況はきびしいかもしれない。

ミシュラン、“本拠地”でつらい敗北
ライバルのおひざ元で今季2回目の表彰台独占。ミシュランの反撃は必至でタイヤ戦争はますます白熱していく。
(C)Bridgestone
 ミシュランはおひざ元でブリヂストンに表彰台独占を許してしまった。予選はコリン・エドワーズがMotoGPクラス71戦目の初ポールを獲得したが、決勝ではなんとオープニングラップで最下位に(結果は12位。エドワーズはエンジンブレーキに関係したトラブルだと報告している)。ベストリザルトはダニ・ペドロサ(今回がWGP通算100戦目)の4位。過去14年間、母国GPで一度も敗北を喫したことがなかったミシュランにとって最悪の結果だ。

「我々の用意したレインタイヤはハードすぎました。こんなに雨が激しくなるとは予想していませんでした。軽く降るだけだろうと思っていたのです。大半のライダーはミディアムレンジのリアを選択していましたから、水浸しのコースではベストとは言えません。ヴァレンティーノがワイドラインを通らざるをえず、パスを許したのもこのせいです。ダニはウェットコンディションが得意でないこともあってソフトタイヤをはいていました」とモーターサイクルレーシングディレクターのジャン・フィリップ・ウェバー。

中野真矢はヴァーミューレンと同タイミングでバイク交換。11位に浮上したが21周目に転倒。玉田誠は9位でフィニッシュした。
(C)Honda
 これに対してブリヂストンのモーターサイクルレースタイヤ開発マネジャーの生方透は「この週末のパフォーマンスには満足しています。ドライタイヤは戦闘力があり、レースでの好成績が期待できました。実際はウェットコンディションになったわけですが、最新スペックのウェットタイヤはテストの成果が十分に反映されています。いずれにしてもいい結果が望めると考えていましたが、今日の戦闘力は特に満足のいくものでした。ウェットタイヤの開発にはかなり力を注いでいますが、開発の方向が間違っていなかったことが証明できました」と、誇らしげに語る。

 ウェバーは「現在の競争レベルはとても高くなっていますが、これはMotoGPにとってよいことですし、我々も再び勝利を目指していきます」と、ミシュランらしい強気のコメントを残しているが、劣勢をはねのけるのはいつになるだろうか。

フレンチライダー大健闘も玉砕
ロッシをパスしトップを奪うギントーリ。オーバーペースだったが、ド・プニエとともに序盤のレースをおもしろくした。
(C)Yamaha
 この日序盤、ファンを沸かせたのは母国GPのランディ・ド・プニエとシルヴァン・ギントーリだった。ふたりはそれぞれ8番手、11番手からのスタートだったが、ペースの上がらぬトップ集団を次々にオーバーテイク。6周目にはギントーリがラップリーダー、それをド・プニエが追うという展開になった。残念ながらオーバーペース(あるいはコンディションの読み違い)は明らかで、ギントーリは8周目に派手なハイサイド(それでもフラッグ・トゥ・フラッグルールに助けられ、10位まで挽回)。ド・プニエもピットストップしようとしていた9周目にクラッシュ。「ペースが速すぎたのかどうかわからないけど、リアがすべって転んでしまった。母国GPでトップを走るなんて本当にいい気分だったのに」と、がっくりだった。

 なお、オリヴィエ・ジャックは上海での転倒のため欠場を余儀なくされ、フォンジ・ニエト(今季はSBKにカワサキから参戦。ちなみに今回がWGP通算100戦目)が代役として起用された。ぶっつけ本番でZX-RRに乗ることになったニエトにとってこの日のコンディションは最悪だったが、安定した走りで10位となりMotoGPクラスデビュー戦を終えている。

250ccクラス & 125ccクラス リポート(Dorna Sports S.L. Comunications Media Agent)

J・ロレンソ、シーズン4度目のポール・トゥ・フィニッシュ
 250ccクラスの決勝レースは、2戦連続4度目のトップグリッドからスタートしたホルヘ・ロレンソがアンドレア・ドビツィオーソとのバトルを最後まで展開。0秒156秒差で制し、シーズン4度目のポール・トゥ・ウインを達成。3位には中盤にレースを引っ張ったアレックス・デ・アンジェリスが入った。青山周平は9位。関口太郎は2戦連続のポイント圏内となる14位でフィニッシュ。10番グリッドの青山博一は13ラップ目に失速。マシントラブルにより、リタイヤした。負傷から復帰したロベルト・ロカテリは、大事をとってレースをキャンセルした。

S・ガデア、シーズン初優勝
 125ccクラスの決勝レースは、6番グリッドのセルジオ・ガデアが好スタートからトップグループに位置すると、4戦連続ポールポジションのマティア・パシーニ、前戦中国GPで初優勝を飾ったルーカス・ペセック、昨年の新人王ブラドリー・スミスとのバトルを展開。ペセックに0秒478差で競り勝ち、今シーズン初優勝を飾った。スミスはキャリア初の表彰台となる3位を獲得。3番グリッドの小山知良はホールショットを奪ったが、徐々にポジションを落として10位。パシーニはマシントラブルにより、リタイヤを強いられた。


OCN Sports Esporteに掲載の写真、イラストレーションおよび記事の無断転載を禁じます。

BACKNUMBER
モータースポーツのトップへ
F1記事バックナンバー
WRC記事バックナンバー
MotoGP記事バックナンバー
その他のモータースポーツ記事バックナンバー


 
NTT Communications 著作権についてプライバシーポリシーNTTコミュニケーションズ

(c) NTT Communications All Rights Reserved