かくして奈良崎の指導のもと、瞬の株トレード修行ははじまった。修行には、1回の取引で10万円以上、2つの銘柄でそれぞれ5万円以上、利益を出すなど、様々な課題をこなしつつ、株価の値動きを日数によって図示するチャートを観ながら、安く買って高く売ること、株には銘柄によって値動きに特性があること、赤い線で示された移動平均線に触れると株価が反発したり、株価が抵抗線に近づくと売りが、支持線に近づくと買いが出やすくなるという株価の法則性など、トレードの基本を次々と学んでいく。
そこには、もはや"謎"というものはなく、株というものにひたむきに相対する一人の青年の姿があるばかりだった。そう、彼から放たれていた謎めきは、「株をゲーム化する」というカプコンが提示した未知なる領域に対して、我々自身が感じていた不安と恍惚から生み出されたイメージの産物に過ぎなかったのである。
が、画面に映し出されたあるキーワードによって、我々は真に驚愕的な事実と向き合うことになる。一人で取引を行う"ソロトレード"のほかに存在する"バーサストレード"。『株トレーダー瞬』の真髄は、すべてこの言葉に集約されるといっても過言ではなかったのだった!?
次々と変動する株価を前に、"瞬間"の判断で銘柄の売りと買いを行う興奮。それを1対1のバトルにしてしまった"バーサストレード"では、「一定期間の間に相手よりも多くの利益を出す」や「8回連続で利確する(=買値より高い値段で売りを行うこと)」など、多様なルールが用意されるばかりでなく、利確することで相手の精神ゲージにダメージを与える「プレッシャー」を発生させたり、ネットの掲示板に書き込むことで特定の株価を吊り上げる「買い煽り」や、その逆の「売り煽り」など、自身のトレードを有利に運ぶ技術「トレーディングアーツ」を駆使することで、さらなる斬新な興奮を味わうことができてしまうのだ。
株トレーダー瞬。いったい君は、どこへ向かおうとしているのか?