OG VOL.11 新☆創刊号 INTERVIEW 神降臨 アントニオ猪木超絶的ロングインタビュー

“猪鬼”が見るエンターテインメントの向こう側とは何か!?

エンターテインメントの未来はピザパイ理論と氷風呂にあり!


OG 猪木さん! 今回、我々『OG』は創刊1年目にしてめでたくリニューアルすることになったんですよ。そんなわけで、記念すべき新創刊第1回目のスペシャルゲストはもう猪木さんしかいないと思いまして。
猪木 「元気があればリニューアルもできる!」
OG おぉ! いきなり縁起物なお言葉をありがとうございます!! で、猪木さんも新団体IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)を旗揚げされるということで、そんな勢いというか、アントン熱風に『OG』も乗っかっちゃおうと考えております。
猪木 「はい、どうぞどうぞ! まぁ、男に“乗られる”のはちょっといい気分じゃないけどな。ムフフフフ(満面のアントンスマイルで)」
OG アハハハハ!これまで『OG』はゲームを編集軸の中心に定めていたんですが、今後は様々なエンターテインメント(※ゲームなど、総合的な娯楽文化の意として使用。以下、エンタメ)を幅広く扱っていくことになったんですけど、猪木さんから見て今の日本のエンタメというのはどうですか?
猪木 「それはもう衰退の一途という感じでね。まぁオレも人を驚かせることが大好きだからこれまでいろんなことをやってきたけれど、もちろん時代時代によって変化はあるんだろうけど、日本が新しい夢というものをどう抱え上げていくのかによって、今まで継続していたものもすんなりと消えてしまう。そういった土壌には何も実らない、そんな国になってしまってはいるし、そうさせているのはこの世の中だしね」
アントニオ猪木

OG 自ら衰退の道を辿っていると。ある意味、今のプロレス界に似ているのではないでしょうか?
猪木 「だからね、業界をピザパイに例えるとわかりやすいんだよ。プロレスでいうとね、小さなパイを力道山の時代から『もっと大きなパイにしようや!』ってみなで頑張って、オレたちは闘ってきたわけだよ。で、業界から一歩引いたときにね、久々に見てみたらみなでそのピザパイを美味そうに食ってやがった。『こんな大きなピザパイだからもっと食べてもまだまだ減らないだろ』ってね。ところが、あるときピザパイが目に見えて小さくなってきていることに気づいて焦りだす。でも、それでもまだ争い合って食い合ってる。ほとんどの業界もそうだろうね、まぁプロレスはその中でも群を抜いてるけどさ」
OG 食べるのをやめて、『もう一度大きくしていこうや!』ってならないんですか?
猪木 「誰も新しいピザパイなんて持ってきたヤツはいないだろ、高田(延彦)だろうが前田(日明)だろうが、それを言われたら誰も文句なんて言えないし、それこそそんなヤツは他にも山ほどいるからね。ひとりくらい『猪木の作ったパイをもっと大きくしようや!』ってヤツがいればね、もしくは全然違うところからパイ生地を持ってくるヤツだとか、まぁそういう人間を育てられなかったオレにも責任はあるのかもしれないな」
OG 猪木さんの後継者という存在が今日まで現れていないというのも残念な話ですね。
猪木 「なんで今のプロレス界に、オレの世代から見たらもう第4世代くらいにまで下りてるのに、なんでオレが立ち上がらなきゃいけないんだよってね。ホント、正直そういう気持ちはある。『今さらなんだ、お前の出番なんてもうないんだよ!』ってのが欲しいんだけど、『てめぇら! 誰でもかかってこいコノヤロー!』ってオレがすごんでも誰も文句を言ってこない。業界全体が一丸となって盛り上げていかなきゃいけない時期に世代が逆行してどうすんだっていう。正直、プロレスの業界に戻ってきてというか、戻ってくるなんて思ってもみなかったわけでね、そこへ戻ってきた自分に戸惑ってるよ(苦笑)」

OG 戻ってきたはいいものの、これからどうすりゃいいんだ!? みたいなですか?
猪木 「そうそう、ホント大変だよ。例えるならば、別れた女房とSEXしろって言われてるようなもんだよ。ムフフフフ」
OG アハハハハ! とにかく、今回のIGF旗揚げの裏にはそんな複雑な感情もあったんですね。猪木さんは他に『夢と希望を持てなくなった時代だからこそもう一度元気を取り戻し、日本にそして世界にその元気を発信していかなければといけない』と語られていますが、真意は?
猪木 「夢と希望がない国は滅びるからね。こんなオレでも何かを発信して、元気みたいなものでもって日本の現状を変えることが出来るならなんでもやりますよっていうね。でもまぁ正直言ってオレももう64だし、元気でもって日本を元気にってデカイこと言っちゃいるけど、オレ自身が元気ないからね(溜息)」

OG アハハハハ! そんなこと猪木さんの口から聞きたくなかったなぁ。
猪木 「体のあちこちが痛いしね、肩から腰から(苦笑)。でもね、そういう肉体的なものよりも精神的なものっていうかね、オレの存在意義というかですね、『いつでも夢を追っている』という部分にみなさんが共感してくれている、期待してくれているわけだから、オレもみなさんのためにとんでもないことをドカーン! とやってやろうと思ってね」
OG 猪木さんが夢に向かって突き進まれている原動力はたくさんのファンの夢みたいなものなんですね。その夢という部分なんですけど、未来の日本を担う今の子どもたちは、夢を見れないどころか、夢なんて持たないといった流れになっている気がするんですが、毎回新しいことに挑戦されていろんな人たちに夢を与え続けてらっしゃる猪木さんから見て、この現状をどうお考えですか?
アントニオ猪木

猪木 「オレはもう無意識に飛び込んでるからね。もちろん、今の子どもたちの現状にはオレも頭を抱えるところはあるんだけれども、決して義務的にそういうことを思わない方がいいかもしれない。一歩踏み出す勇気とかね、まぁいろんな言葉があるんだけど押し付けちゃいけない。オレたちがそういうものを作って見せてあげないとね。例えば力道山がプロレスを日本に持ってきたとき、戦後で元気のなかった日本が沸きかえったわけですよ。外人レスラーも呼んでね、これはまさに国際化の流れに一番最初に手をつけたというかね。タッチだとかカウントだとかワンツースリーだとか、親しみやすい英語を使って、そういうものをレスリングのルールの中に取り込んで一般化した。子どもたちはたくさん夢を見てくれたと思う。まぁ、それが今はどうしてこんなに小さくなっちゃったの!? っていうのが正直なとこなわけだけど」
OG だからこそ、今の日本にはまだまだ猪木さんが必要なわけですよ!
猪木 「いやいや、言葉で言うのは簡単だけど実際やるのはオレだって大変だよ。毎朝が戦いだからね。なぜかっていうと、朝起きたらひざが重かったり、腰が動かなかったり、今までいじめ抜いてきた体をどう奮い立たせるかから始まるからね。だからオレは毎朝とまではいかないけど氷風呂にドボーンと入るわけだ」
OG 猪木さんの氷風呂といえば、血糖値が上がったときに、氷を大量に風呂に入れて全身の筋肉を痙攣させて血糖を消費させるという猪木流はちゃめちゃ荒治療方ですよね。
猪木 「最初はそういった理由でやってたんだけども、とにかく氷風呂は気がギュッと引き締まるんだよ。ある意味滝の行だね。ここぞって勝負のときとか、ググッと気を上げるときには必ず入るよ。もちろん、温かい湯につかって温かい汗をかくのもいいけどさ、『あぁ気持ちいいなぁ』ってなったら、心も体も夢も緩んじゃうじゃない。いいよ! 氷風呂は」

北朝鮮、そしてジャングル・・・。猪木が笑えばホントに世界は笑うのか!?


OG 子どもたちには絶対にまねさせちゃいけない方法ですけどね(苦笑)。で、これまでいろんなサプライズを爆発されてきた猪木さんなわけですけど、やはり特筆すべきは95年4月に開催された『平和の祭典(北朝鮮・平壌スタジアム)』かなと思うんですが、あの北朝鮮で38万人もの動員を集めたってのはもう驚愕のひとことというか。
猪木 「あれはスゴかったね。なんせ北朝鮮が国を挙げてバックアップしてくれた国家事業だからね」
OG あれはまたなんでやろうと思われたんですか?
猪木 「師匠である力道山に恩返しがしたくてね。そういう思いの伝え方っていうのはいろいろあるんだろうけど、言葉とかそういうのじゃないと思ってさ。力道山が亡くなったその日から枕元に1年半くらい毎日立たれてね、正直何だか意味もわからずにイヤな寝汗をかいて苦しんでたわけなんだけど、結局30年くらい経っちゃって、そろそろ思いを届けないといけないと思って、力道山の導きでやったってのが真相かな。じゃないとオレは北朝鮮なんてなーんの用もないわけだしな。ダハハハハ」

OG いやいや、なんの用もないってのもどうかなと思うんですけど。で、どうでした、38万人の前でリングに上がったご気分は?
猪木 「これはもう感動ですね。やっぱり38万人なんていう人間の量なんてわけがわからないわけだし、実は何人いたかなんてそんときはわかんなくてね。そんな想像もつかない人間のどよめきっていうか、こう『ざわざわざわざわ』ってのがハンパなくてね。普通だったら『ダァー!』とか『猪木!』とかって跳ね返ってくるんだけど、そういったコールみたいなものが、全ての方向から『ざわざわざわざわ』ってくるんだよね。試合もさることながら、今まで体験した事のない臨場感みたいなものに大きな感動があったね、人間パワーを肌で感じたというか(奮)」
OG まだ実現にまでは至ってはいませんが、北朝鮮と韓国の軍事境界線付近に5000人収容できるテントを張っての格闘技イベントという、まさに一寸先はハプニングな驚愕プラン、『板門店ボンバイエ』も、そんな誇りや思いから生まれたわけですか?
猪木 「いまもやりたいと思ってますよ。板門店がダメなら、38度線には金剛山もある。板門店にこだわらなければ、38度線での開催はおもしろくなると思うよ。でもさ、オレは他にもいろいろとやることがあるからね、とにかく忙しいんだよ」
OG 猪木さんの壮大プランはまだまだ尽きることがないんですが、ブラジル・アマゾンの原生林を保護するための世界プロジェクトとして、ジャングルのど真ん中に設営されたリング上で猪木さんの格闘ロマンが大炎上したあの『ジャングルファイト(03年9月 ブラジル・マナウス)』は今どうなってるんですか?

猪木 「あぁ、あれね。とにかくさ、オレはあれやこれやで忙しくて手が回らないんだよね。でも、ジャングルファイトはやらないとと思ってるよ。でも、次はアマゾンとかジャングルとかにこだわらず、日本に上陸させてもいいかなと思ってる。『PRIDE』もあんな感じになっちゃってることだし、それに変わるものとして打ち出すのもいいかもしれないね。」
OG 当初のジャングルファイトは『観客は200人限定で協賛金の提供が条件。個人が100万円からで、法人一般協賛は200万円から。大会の協賛者は、協賛金の中から1平米以上の土地を購入し、手付かずの自然として後世に残すこと』という、一般ファンにはあまりにもハードルが高いセレブイベントだったわけですが、日本で開催する時もこのハードルは変わらずですか?

猪木 「オレの考え方の一つに環状八号線理論ってのがあるんだけど、要は中心枠の外にいる人たちに興味を持たせないと何をするにもダメなわけ。『OG』のリニューアルだって、中央の人だけが知り得ているだけのものだったら意味がないわけだろ。イベント一番大切なのはそういうインパクトなわけ。『なぜアマゾンの真ん中で? なんでそんなところで、そんな設定でやるんだ?』ってね。まぁ『それこそが環境破壊に繋がんないか?』とかすぐまたそういうことを言われそうだけど。ダハハハハ」
OG アハハハハ! でも、猪木さんのジャングルファイトをアピールするパフォーマンスはスゴかったですよね。アマゾンの絶対に入っちゃいけないような川で泳いだりとか(笑)
猪木 「今だから言えるけどさ、あれは今までで一番イヤだったね」
OG 猪木さんにもイヤなことってあるんですか!
猪木 「そりゃありますよ! そりゃやれと言われればね、『なんだってやってやるぞコノヤロー』って気持ちですけど、あの川はピラニアだらけなんだよなぁ(苦笑)」
OG ぴ、ピラニアですか!
猪木 「ピラニアだけならまだいいよ。あの川にはね、ピライパっていうものスゴいやつがいるんですよ。ナマズのデッカいの。川底辺りに生息しているんだけど、腹を空かせると上の方に上がってきてね、子どもをさらうらしいんだよ」
OG ナマズが子どもをさらうんですか!
猪木 「そうそう、しかもサメとかみたいに食いちぎるってわけじゃなくて、くわえたまま川の底に引きずり込んで口の中で軟らかくして飲み込んじゃうらしいんだよ。

でね、そのピライパってのは流れが速くて水面が白く見える部分と、流れが逆流していて水面が黒く見えるところにいるってんだけど、カメラマンは何も知らないもんだから『猪木さん! そこ、そこです。そこで泳いでください!』って。『バカヤロー! ここはヤバいんだよ』って言っても、『いい絵が絶対に撮れますから』って。乗せられたまま泳いでたら、ちょうど白と黒が重なってるところでさ(苦笑)」
OG アハハハハ!猪木VS人食いナマズは夢がありますね。でも、 話だけ聞いてたら若手のお笑い芸人ですよ(笑)
猪木 「ムフフフフ。オレも乗せられたらやっちゃうもんだからさ。でも、後から聞いたんだけど、その地点ってのが川底から天然ガスが噴出してるとこだったらしくて、ヘタしたら吸い込まれて浮いてこれなかったっていうからねぇ」
OG 猪木さんともあろうものがそんなに体を張らなくてもいいのでは? で、ジャングルファイトなんですが、もし日本で開催するならどこでとかって考えてらっしゃいます? 富士の樹海とかですかね、日本にはアマゾン的なとこってあまりないような気もしますが。
猪木 「う〜ん……、名古屋とかは考えたことがあるけどね」
OG ジャングルなんてないじゃないですか(笑)。 体を張るという部分では、猪木さんは02年8月に行われた『Dynamite!(国立競技場)』で、上空3000メートルからのスカイダイビングして、国立のリングに降り立つというこりゃまたとんでもないサプライズを爆発されてますよね!
猪木 「あの頃はね、格闘技が一番盛り上がってた頃で、紅白(歌合戦)も吹っ飛ばすほどの勢いがあった時期だから、そんときは『まぁいいかな』って。無力の体力っていうか、みんなのロマンが燃え盛っていたときでね、ここで猪木が踊らねば誰が踊るんだって。オレはいつ何時でもそういった部分でバカになって踊れるバカさ加減を持ち合わせてるからね。ムフフフフ」
OG さすがは猪木さんですね! でも、オファー時に少しも躊躇されなかったんですか?
猪木 「いや、実は直前まで知らなかったんだよね(苦笑)」

幾多の修羅場を潜り抜けてきた鬼がエネルギーに出会った・・・。


OG え!? 知らなかったんですか?
猪木 「最初、『猪木さん、高いところ大丈夫?』って聞いてくるから『大丈夫だよ』って。で、『じゃあ飛べますよね』ってくるからなんだろうと思ってたんだけど、アメリカから帰ってきて新聞を見たら『猪木、決死の闘魂ダイブ!』みたいな話になってて、『え!? これっていったいなに?』みたいなね」
OG アハハハハ!
猪木 「まぁ、結局飛んだしね。そこがオレの長所なのか短所なのかはわからないけども、なんだかんだで『よしいくぞ!』って気合いを入れてる猪木という人間はけっこう楽しいもんですよ」
アントニオ猪木

OG 楽しすぎますよ! 猪木さんはテクノロジーの分野にも進出されてますよね。『外部からのエネルギーを一切使用せずに運動を続ける発電機』というこれまでの科学の理論を根底から覆す仰天メカ、通称『永久電気』なわけですが、一部のコアなファンはその一挙手一投足から目が離せないでいるわけですけども。
猪木 「あれもね、普通の人間には理解し難いのかもしれないけど、世の中が必要としているんですよ。世界にはまだまだ明かりもない国々がたくさんある、その人たちにね、少しでも明るい灯を与えてあげることが出来ればと思っていたんだけども……」
OG 永久電気プランはあまり進展がないんですか?
猪木 「ないといったらない。ただね、動いてないという話じゃなくて、どれもこれも手つかずで触れてないだけであって、その事業の中身も何にも知らないヤツらがただただ批判してるだけなんですよ。もうホントにね、『世界に灯りを!』ということで、この間も韓国に行って具体的な話をしてきたばかりですから」
OG おっ、とうとう永久電気が動き出すんですかね!
猪木 「そんなことオレの知ったことじゃないですよ! ただ、オレの考えていることはどうしても時代の先端を突っ走ってしまうもんだから、情報が錯綜するのは無理のない話だよ。まぁこれに関してはオレは開発者じゃないからね、(永久)電気がなんで動いてるのかなんてわからないから(断言)」
OG アハハハハ! なんだか永久電気を突き放されてるようにも見えるんですが?

猪木 「オレも辛いところなんですよ。ただ、(永久)電気にしろなんにしろ、今のままじゃ公害は増える一方なわけだし、要は次なるエネルギーはいったいなんなんだっていうね。そういった研究にはとにかくオレは首を突っ込んでる。ただ、オレは開発者や研究者じゃないから、そういった苦労している人たちと出会って、そういったものを世に広めるのがオレの役割かなっていうね」
OG 猪木さんは永久電気以外の驚愕テクノロジーやエネルギー問題にも関心をお持ちなんですか?
猪木 「そうそう。実際には石油問題っていうことなんだけども、石油をいかに公害を少なくして生成するかっていう生成技術ってものがあるんですよ。まぁこれも猪木が一枚かんでる話なんですけど、それはもう実験成功済みでね、今、ツンドラ地帯に油が混じった砂があるんですけど、それをわりと簡単に油だけを抽出する実験が成功したんですよ。ムフフ」
OG ツンドラの砂から油を抽出するんですか!
猪木 「新しい技術という形でね。やはりね、いかにコストを下げて油を生成するかっていうことが今の地球の重要課題なわけですよ。サウジアラビアといえどもそうなんですよ。ただ、サウジのはライトオイルっていう上質な油だから、その油自体を分離するのにものすごくエネルギーコストがかかるもんだから世界事情に合わなかった。そんな中で、石油が高騰したことによって、そういうものも非常に注目されるようになったと。それを簡単かつ低コストに生成できる技術がね、それなんですよ。地球規模のエネルギー問題を一発で解決する夢の油だよね」

OG そんな『夢の油』事業がもし軌道に乗ったら、下世話な話ですが猪木さんは大金持ちですね!
スクープ!地球規模で混迷するエネルギー問題を一発で解決する夢の油がこれだ!! 猪木 「ムフフ。オレは大金持ちになるんだよ。まぁ、ホントは金持ちなんかどうでもいいんだけど、オレが金持ちになったらみんな冷たくすんなよって、道で会ったら挨拶ぐらいしていけよってお願いしてるからね。だからさ、ホントはこっちの世界にはさ、ぶっちゃけ戻ってくる気はなかったわけだ。ダハハハハ」
OG アハハハハ! 話がもとにもどっちゃいますけど、じゃあなんでIGFを立ち上げたんですか?
猪木 「やっぱりオレはプロレスで育ってきた人間なわけだし、今のプロレス界を見て怒りに震えているわけですよ。だからこそ、プロレスに対する最後の恩返しというかね。正直、名誉が欲しいとか、お金が欲しいということはもうないわけですしね。まぁ、オレの考えることは時代の先の向こう側を見ているもんだから、大体が99,9パーセント実行不可能とされちゃうんだけどね(苦笑)」

人生のルールに不可欠なもの、それは絶対悪を超越した必要悪にある。


OG パーセンテージが示す数値からして超絶プランの目白押しといったところなんでしょうけど、やはりそういった壁が原因で実現できなかったこととかって多いんですか?
猪木 「そうですね。でも、オレが何かをぶち上げて、それから何年も後になって『猪木さん、やはりアレはスゴかったんですね』とか、そういうことが多いね。逆にオレから離れていくヤツも多い。もう猪木の周りは裏切りだらけ」
アントニオ猪木

OG 先見の明って、持ってると苦労も多いんですね
猪木 「でもさ、オレから離れていったヤツで、悲しいかな“上がった”やつなんていねぇですよ。出てったヤツはこれ見よがしにオレを批判したりするでしょ、自分を正当化するために一番ターゲットにしやすい。オレだって、『やってみろ!』って心の中でいつも思ってる。でもさぁ、大体がみなオレのところに戻ってくるでしょ?」
OG たしかに戻られますよね。出てった直後はボロクソに誹謗中傷してたくせに(苦笑)
猪木 「オレはキレてねぇですよ。ムフフ」
OG アハハハハ! その方も何度も戻られてますよね。
猪木 「まぁ、オレが生まれ持った性格というか、夢の部分と言うか、事業なんかもそうですし、例えばそれが人間であっても、最良の出会いというものはその瞬間が最高であればそれでね、裏切りというものもそれはそれでいいと思う」
OG 裏切りも必要悪と?
猪木 「ただ、裏切りにもルールがある。そういうものは人間としてちゃんと持っとかないといけない。例えばプロレスは『ルールのある喧嘩』って先輩たちが言った事があるけど、5カウントまでは反則行為は許されてはいるけどさ、要は相手を殺しちゃいけないわけでしょ。まぁ実質殺し合いみたいな試合もあったけど」
OG グレート・アントニオの顔面に強烈な蹴りを入れて、さらに側頭部へ怒濤のストンピング(おもいきり踏みつける、何度も)をしたり、タイガー・ジェット・シンにショルダー・アームブリーカーを連発して右腕を骨折させたりと、猪木さんも“実質殺し合い”な試合を数多くされてますもんね。
猪木 「あんなもの殺し合いでもなんでもないよ、オレは優しい男だからそんなことはしない。ムフフ」
OG 優しい男ですか(笑)
猪木 「反則行為をやっちゃいけないよ、でも逆にそういうのが魅力にもなり得るわけじゃない。裏切りというものも、その行為は認められないものだけど、それはときによって人間社会を鮮やかにするものになることもある。人それぞれかもしれないけど、ある程度のルールの中では反則行為は許されてるでしょう」
OG 日常的に裏切りというものは存在しているんですか?

猪木 「待ち合わせに遅れるだとか、浮気だって了承する人がいればそれもある程度のルールの中で許される裏切りしょう。そういうことを土台にして、問題を克服していけばさらに深い絆、愛の高みを見れるわけであってね。裏切りというのもまんざら悪いもんじゃない。そんな日常的にある“片側”には目をつむって、一面を捉えてきれい事ばっかり言ってるから今の世の中からは本質が見えてこないんです。例えばね、オレはいじめがいいなんて言わない。でも、最近はいじめられた子があたかも悲劇の主人公的な扱いなのはいかがなものかと思う。オレから言わせれば、いじめられる子にも問題はある。拉致問題だってそうだよ」

OG 非常にデリケートな話なんでこのままスルーしたいのですが、とにかく落としどころが重要になってきますよね。
猪木 「北朝鮮のやり方がいいとはこれっぽっちも思ってませんけど、60年前の日本と思えばなんら不思議じゃない。日本だってそんな時代はあったわけだし、国家がすべてを統制して、それに反対した奴はブタ箱とかいろいろあったわけだよ。もちろん,オレの考えが左を向いているわけではないけど、日本の国民もね、せっかくだから自国の歴史を振り返ってみるといい。そこで何が正しくてなにが間違っているかをちゃんと自分の目で判断した方がいいですね」
OG たしかにそう思いますが、辻褄が合わないというか、矛盾だらけの国である事も確かですが?
猪木 「それは日本もそうだよ、あげ足を取ればだけどね。ひとつひとつあげ足を取っててもしょうがないんだけど。ただ国家としてさ、日本はやっぱり中国に対して気を使いつつ、おもいきり牽制している。アメリカのいいなりになるのは嫌だといいながら、そのくせどこかが攻めてきたら守ってよと。オレはこっちのほうが矛盾してるなぁと思うけどね。北朝鮮の矛盾は生きていくための切り札だから」
OG そんな北朝鮮でも猪木さんは大人気ですよね?
猪木 「そうなんだよ(ニンマリ)。こないだなんかも街中を歩いてたらすれ違う人がみなオレに向かって手を振ってくるんだよな、『なんだ!? どうしてなんだ?』って思ったよ。極め付けは街の人に『あんた、いままでどうしてたのよ!』っておばさんがね」
OG なんか東京の下町っぽいエピソードですよね。テレビの映像でも見ましたけど、子どもたちがこうわんさかと。

猪木 「猪木が歩けば北朝鮮も元気になる!というかね。子どもたちが大勢オレの後に付いてきてね、最終的には金正日の銅像の前に行ったんだけど、銅像は高台にあって、下にはゆるやかだけど長い階段があってね、そこまで子どもたちを引き連れてきたたわけであって、子どもたちが目を輝かせて『猪木!猪木!』って追っかけてきてさ。ホントね、まるでロッキーになった気分だったね。『エイドリアーン!!』ってか、ダハハハハ」
OG いやぁ、いい話だなぁ。北朝鮮の子どもたちにも夢爆弾を投下されたわけですね!
猪木 「だと嬉しいけどね。でも、問題はオレたちが自身の経験に基づいて、この国家をどういう風に変えていくのかってことを考えないと。だって、外からはそれぐらいしかできないからね。こういう交流があることによって、様々な情報が流れ込んでいくことによって、閉ざされた扉は開くわけだよ。最終的には国家が国民を放棄するしかないような国家だからこそ、いろんなことを国民が判断できるような体制をどうにかして作った上げないといけないと思うんだよ、そういったことにもね、猪木がは一役買いますよと。ムフフ」
OG 猪木さんが掲げる仰天プランには北朝鮮問題の解決という壮大なスケールなものまであるということですね!その一環として、あの伝説的イベント『北朝鮮、ふくと松茸食べ放題ツアー』なるものが生まれたわけですか?
猪木 「ムフフ。まぁ目の前のものしか信じる事ができない人とそうでない人の違いというか、要は遠いところで会議ばっかしてないで、どれだけ直接触ってね、いろいろなことを考えながら行動をする事だと思うね。プロレスにしたってそうです。このままじゃもう手遅れになってしまう。誰もが手の施しようがないなんて諦めかけてる。じゃあそれも猪木にまかせなさいよと。『猪木さん、宜しくお願いします!』って言われたらさ、オレも宜しくお願いされても困るんだけど、じゃあひとつ元気にいってみますかとね。ダハハハハ」
アントニオ猪木

「元気でもって日本を元気にする」 猪木の言葉に一片の偽りなし!!


OG 世の中の現状しかり、冷めきったプロレス業界にさらなる元気を注入できるのは猪木さんしかいませんね!
猪木 「まぁオレの中にはね,プロレスを、今の世の中をひっくり返して元気にさせるアイディアはたくさんありますよ。ただね、要はお金なんですよ」
OG つまるところはお金ですか!
猪木 「お金がなければ何もできないからね。そういう意味でね、スポーツとか映画とか、ゲームにしてもそう、エンタメの核っていうのはね、企業が抱えちゃいけない部分なんだよ。あくまでスポンサーという立場でないといけないんです。かつてオレのスポンサーだった佐川急便なんかはね、なにも口を出さずにそれこそ何十億の金をポンと投げてくれた。そういうものであれば、オレたちみたいな夢追人はまだまだエンタメという金のかかる世界で夢を追いかけていける。人々に夢を見せてあげる事ができる。でも、そのお金の計算の先に企業の思惑みたいなもの、エゴみたいなものが入ってくると、そこからは夢はもう広がらないんだよ」

OG さすがの猪木さんもスポンサーサイドの意向を無視するのは簡単じゃないと?
猪木 「何かをするってときに一番大切なのは“意表をつく”ってことだから。ホントに。だからね、この猪木をリングに上げたいなら気持ち良く上げる舞台を作れよというね。でも、それすらわからないというのが現実なんだよな」
OG そんな状況下で新たな新団体を旗揚げするってかなり困難なことなんじゃないですか?
猪木 「オレが声を大にして言えることがあるとすればね、オレは生粋の、混じりっけなしのプロレスラーなんだよ。プロレスっていうのはさ、例えば元柔道家であるとか、レスリングの元オリンピッククラスとか、相撲の力士でちょこっといいとこまでいったとか、要はその道でメシが食えなくなってこの世界にやってきたわけ。(ジャイアント)馬場さんにしたって元プロ野球じゃない。オレはそうじゃなくて、自分は強いということをただ証明したいっていう気持ち、子供心のロマンがあって何のバックボーンもなくこの世界に飛び込んだからね。お金がいくら貰えるからだとかを考えてプロレスラーになったわけじゃない。そこんとこが非常に大事な部分だなぁってことがね、最近わかったんです。だからこそ、メシを食えることによって満足感が生まれてくる選手とオレが見てる世界とは違う。オレはね、生粋のプロレスラーとして永遠に夢を追い続けたいんですよ」
OG 猪木さんが持つ“生粋のプロレスラーの夢”から生まれたのがIGFなわけですか?

猪木 「オレはもう現役じゃねぇし、リングの上で夢を見ることはできないけど、プロレスの基本は『闘い』であるともう一度証明したい。今のプロレスは『闘い』を放棄してしまっているように感じるんですよ、そんなプロレスに魅力があるのかっていうね。プロレス=八百長だとか、格闘技とは別物だとか、『それってなんなんだよ』と!(怒)。師匠の力道山からオレへ、そして次の世代へこのプロレスを受け継いでもらわないといけない。じゃないとプロレスはホントに死んでしまう」
OG パフォーマンス先行型のリングに注目が集まる状況ですが?
猪木 「パフォーマンスだけでしょ? プロレスに限らず、どこの業界も全部そう見えるね。変な芸能人がリングに上がってショッパイことしてさ、そういうのがいまの時代なんだと言われたらしょうがないわけだけども、じゃあプロレスラーってなんだよと。今は誰でもプロレスラーを名乗れるようになって、選手のレベルもドンドン落ちて、公衆の面前でスポーツ選手とは思えないようなだらしない体をさらけ出している。もうね、全部いらないですよ」

OG このタイミングで立ち上がらないとプロレスそのものが文化から抹消されてしまうかもしれない?
猪木 「その通りですね。要は勝つか負けるかですから。『闘い』というものは生きていくために絶対不可欠なもの。そんな重要なものを捨ててしまった業界はね、一回死ねばいいんですよ。ムフフフフ」
OG 過激なご意見ですが、要するに現状を改変するよりも一度ぶち壊して再建したほうがいいと?
猪木 「もちろんぶち壊してたほうがいい。全部をゼロにして、そんなゼロの舞台で、自分がその道で生きていくためになんらかの獲物を捕らえて食し身にするという生き物の本質を、生き物として当たり前のことが当たり前にできる強い人間の闘いを世界レベルで見せたい。幸運にもプロレスというコンテンツは世界中で受け入れてくれるジャンル、小さくなってしまったピザパイをもう一度大きくするため、プロレス以外の業界にもね、こうすればもう一度立ち上がれるんですよという指針にオレがなれるように、元気を奮い立たせていこうと思っていますね」 
OG プロレスのみならず、日本のエンタメのために人肌脱いでいただけるんだと解釈しても?
アントニオ猪木

猪木 「構いませんよ。だってね、ここで猪木が立たないと誰が立つの? って。誰かがなんとかしないとこの世の中はドンドンおかしくなって、真実からどんどん外れていくかもしれない。オレにもしできることがあるなら、オレが見る夢でそういったことを少しでもいい方向に持っていけるなら、ナマズともやってやりますよ! ムフフフフ」
OG 日本のエンタメ文化もひとまず安心ですね!
猪木 「そうですね。でも、みなさんには日本だけしか知らずに過ごしてほしくはないなと。オレはテレビとか新聞なんかをできるだけ見ないようにしてるんだよ、あんまり見すぎると送り手の考えが自分の中の考え方になっちゃってバカになるからね。今オレの中にある太い柱は環境問題なんだけど、とりあえずオレの島もあるパラオに行って海に潜れよ! と。みんな裸になってね、パンツ一丁になれば海に潜れ! それで『自然とは何であるか』っていうことを知ってほしい。で、一歩離れたとこからというか、場を変えてみると、また違う日本が見えてくる。自分自身もね、環境を変えることによって発展することができるよと。だからね、えっと、テーマは何だっけ?」
特別付録アントニオ猪木語録

OG 猪木さんにエンターテインメントの向こう側についてご教授いただくというのが一応テーマです(笑)
猪木 「その答えはね、『旅をしようよ!』ですと。ダハハハハ!」
OG 実に明確すぎて逆にボンヤリとしちゃったんですが、要は外から日本を、自分自身を見てみることということでしょうか?
猪木 「ですね。日本も捨てたもんじゃないって思うのか、この国はもうダメかもって思うのか、一度じっくり考えた方がいいと思いますね。でね、ついでだから政治にも触っておくけど、安倍総理もさ、『美しい日本』とか言ってんじゃねえよって。美しい国なんかより、真実の国、本当の日本を作りましょうって何で言えないんだってね。オレが総理大臣だったらそういう国を作るよ。だいたいさ、“美しい”って何だ!? 、いたるところにホームレスがいて、大人は小さな女の子の体を金で買って、子どもは親の首を切り落として、ありとあらゆるところに格差が生まれてる。いま日本で一番必要なことは“美しい”じゃないんだよ、“力強い闘い”なんだよ。物事の本質から逃げてばかりいると後で手痛いしっぺ返しを喰らうことになるよ」
OG 猪木さんが“力強い闘い”を見せてくれることによって、物事の本質を見失っている人たちも、大切な事は何かってことを思い出してくれるかもしれませんね! 

猪木 「この世界に入ってもう50年近くなるけど、その中で幾度なく『オレはなんだかんだいって世の中から必要とされなくなって消えてしまうんじゃないか』って、将来に不安を抱いていたよ。それに追い打ちをかけるように、社会から抹殺されるような状況に何度か陥った事もある。変な言い方で申し訳ないけど、普通の人ならプレッシャーに負けて死んでると思う。でも、オレはそういうときこそ元気を振り絞ってね、信念にも似た夢でもって乗り越えてきた。そういう経験というのかな、ドラマみたいなものを見せるころができれば、『元気のない日本に元気を!』ってオレのスローガンも現実になるんじゃないかな」
OG きっとそうなりますよ! これからも『OG』は猪木信者としてどこまでも付いていきますよ!!
猪木 「どうせならカワイイ女の子がいいんだけどな。猪木が両手を広げたら、世界各国の美人が飛び込んでくる! なんてな、ダハハハハ!」
プロフィール アントニオ猪木

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